GISTとがんの発生場所の違い
GISTとがんの発生場所の違い

 GISTは患者数が少ないため、確定診断や治療の経験がほとんどない病院も多く、できれば粘膜下腫瘍として見つかった段階で、専門医のいる病院を受診することが望ましい。

 一般的ながんではステージによって病期や予後のリスクを表すことが多いが、GISTでは三つの要素を元に再発のリスクがどれだけ高いかを判断するリスク分類をおこなう。

■大きさ、分裂能力、場所でリスクを判断

 一つ目は、元々の腫瘍の大きさだ。2センチ以下、2~5センチ以下、5~10センチ以下、10センチ超という四つに分類され、大きいほどリスクが高い。二つ目は細胞の分裂能力で、能力が高い(よく分裂する)ほど再発のリスクが高いと判断される。三つ目はGISTができた場所で、胃か胃以外では胃以外のほうがリスクが高い。この三つを総合的に判断し、超低、低、中、高の4段階のリスクに分類される。

「日本人の場合、高リスクの人の再発率は平均で40%程度です。海外のデータより少し低いのですが、これは他の臓器よりリスクが低い胃のGISTが圧倒的に多いことや、胃の検診を受ける人が多いので早期に発見できることなどによると考えられています」(西田医師)

 GISTの治療方法は、基本的には手術による切除となる。術後のリスク分類で再発のリスクが高いと判断された場合や完全に切除できなかった場合、また発見時にすでに転移や破裂があった場合などには、術前や術後に薬物治療をおこなう。

(文・梶 葉子)

※週刊朝日2023年6月2日号より

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