写真:ファミリーマート提供
写真:ファミリーマート提供

■寄付で食品ロス削減

「デジタルサイネージの広告主にとっては商品の認知向上と売り上げアップ、加盟店には客数と売り上げアップ、お客さまは来店時にお得な情報とコンテンツを楽しめる。まさに『三方よし』です」(樋口さん)

 SDGsの風は、ファミリーマートにも吹いている。「with Sustainability!」をスローガンに独自の取り組みを展開。中でも「基本理念を『家族』に置いている、ファミリーマートらしい取り組み」(マーケティング本部サステナビリティ推進部長の岩崎浩さん)とされるのが、「ファミマフードドライブ」だ。

 店内に専用の回収ボックスを置き、家庭で余ったレトルト食品や缶詰などを持ち寄ってもらう。回収する食品は、未開封で賞味期限まで2カ月以上あることが条件。集まった食品はNPOなどと連携し、子ども食堂などに届けるという流れだ。

 ファミマフードドライブは20年末に愛知県内で始まり、今では全国で2231店舗(6月14日時点)が参加。地域の活性化と、食品が寄付されることによる食品ロスの削減にも貢献する。

「1万6500店というスケールメリットを生かしながら、店舗を通じて地域の方々をつなぐことが、SDGs時代のファミリーマートの姿ではないかと思っています」(岩崎さん)

 コンビニはこれまで50年、常識を破りながら成長してきた。そして今、「次の50年」に向け、さらなる挑戦を続けている。(編集部・野村昌二)

AERA 2023年7月3日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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