店舗にデジタルサイネージを設置するコンビニの“メディア化”。コンビニ各社のなかでも、この取り組みに力を入れるのは、ファミリーマートだ。店内で広告やニュースなどを発信するデジタルサイネージに、どんな効果が期待できるのか。ファミリーマートの最新の取り組みに迫った。AERA 2023年7月3日号の「コンビニ」特集の記事を紹介する。
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ファミリーマートの取り組みの筆頭は“店舗のメディア化”だ。ファミリーマート広報部の樋口雄士さんはこう語る。
「ファミリーマートは全国に約1万6500店舗(5月31日現在)あり、1日に約1500万人の方に来ていただいています。その方々に直接役立つ情報を届けるためのメディアです」
活用するツールは「デジタルサイネージ(電子看板)」。店内のカウンター上部に、42~65インチの大型ディスプレーを3連結させ、掲げる。そこに、コーヒーやアルコールといった商品の広告を、音声付きで15秒から30秒、配信している。
小売業者が店舗内で広告を掲げ、企業と顧客をつなぐ手法は「リテールメディア」と呼ばれる。米国では新たな潮流として急拡大しているようだ。ファミリーマートは、リテールメディア事業に自社アプリとデジタルサイネージを活用し、国内コンビニとしてはいち早く参入した形だ。
デジタルサイネージの本格スタートは21年9月。訴求効果は大きかった。デジタルサイネージ設置店と未設置店を比べると、売り上げが10%以上伸びた商品も確認されているという。
流すのは広告だけではない。
ニュースや天気予報、お得なクーポン情報などさまざまな情報を配信。特にインフルエンサーとのコラボ音楽や、犬や猫が主役のコンテンツが人気だそう。
現在、デジタルサイネージは全国42都道府県の約4千店(6月15日時点)に設置されている。今年12月をメドに1万店舗まで拡大していく。