実験店舗のグリーンローソンではデジタルアバターを活用。セルフレジともコラボさせ、時間帯にかかわらず「伝える」サービスを。店で働く従業員はリアルならではのサービスに注力(写真:ローソン提供)
実験店舗のグリーンローソンではデジタルアバターを活用。セルフレジともコラボさせ、時間帯にかかわらず「伝える」サービスを。店で働く従業員はリアルならではのサービスに注力(写真:ローソン提供)
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 コンビニ各社のなかでも、デジタル技術を導入した次世代店舗づくりに積極的なローソン。生み出したのは、新業態「グリーンローソン」だ。アバターによる接客やセルフレジのみなど、既存の店舗とは一線を画する。グリーンローソン開発の背景には何があるのか。ローソンに聞いた。AERA 2023年7月3日号の「コンビニ」特集の記事を紹介する。

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 コンビニにIT系の新しい風を吹かせているのがローソンだ。

 東京都豊島区。JR大塚駅から徒歩5分ほどの場所に昨年11月、一風変わったローソンの店舗がオープンした。

「グリーンローソン」

 ローソンが仕掛ける新たな形態。入り口でお客を出迎えてくれるのは、モニター画面に映し出されたローソンの店員に扮したアバター(分身)だ。

「SDGs(持続可能な開発目標)を実現する取り組みとして、お客さまや地域と一緒に、サステナブル(持続可能)な生活を提案する近未来型店舗です」

 ローソン常務執行役員 商品本部長の藤井均(ひとし)さんは、そう話す。店舗の品揃えは通常のローソンと基本的に同じ。違うのは、CO2排出量やプラスチックの削減など、コンビニが抱える課題に取り組んでいる点だ。

 たとえば、弁当。当初は通常のローソンのような常温やチルド(冷蔵)の弁当は販売しない実験を行った。その頃に売っていたのは「冷凍弁当」と店内で作る「まちかど厨房」商品。冷凍弁当は賞味期限が最長8カ月で、弁当の廃棄をほぼなくせる。

 買い物かごは再生プラスチックを使用。レジ袋、今まで無料だった箸、スプーン、フォーク、ストローなども撤廃した。

 AI(人工知能)を活用した商品の値引きシステムも備える。こうした取り組みにより、2050年までに18年度の食品廃棄量の100%削減を目指す。現在、グリーンローソンは1店舗だが、最適な取り組みを見極めたうえで、25年度には100店舗まで拡大したい。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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