傷みやすくニオイも気になる魚介類。家庭内で食品ロスになりやすい食材だ。しかし、保存方法を工夫すれば、鮮度をキープすることができる。どのように冷蔵・冷凍保存すれば長持ちするのだろうか?東京農業大学元教授で農芸化学博士の徳江千代子さん監修『もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク』(朝日新聞出版)から、魚介類の保存テクニックを紹介する。
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■傷みやすい内臓やえらを取り除いて冷蔵保存すれば長持ち
新鮮なものを購入して、すぐ下処理をしましょう。一尾魚やいかなどの魚介類は内臓から傷みはじめるので、なるべく早く頭や内臓、えらなどを取り除きます。
取り除いたらよく水で洗ってから水けをしっかり拭き取り、ラップに包んでポリ袋に入れて冷蔵庫のパーシャル室かチルド室へ。
下処理をして冷蔵すれば、新鮮さもおいしさもキープしたまま保存できます。
■冷凍保存は魚介類の種類によって冷凍向きと不向きがある
魚介類は、種類により冷凍耐性が異なります。まぐろやかつおなどの赤身の魚やいかやたこなど水分が少なく、食品の組織がしっかりしているものは冷凍向き。
反対に、たらなどの白身魚は組織が弱く、そのまま冷凍すると解凍のときにドリップが出てしまい、旨みが損なわれてしまいます。
冷凍耐性が低い魚は下味をつけてから保存しましょう。一尾魚は頭と内臓を取ってから流水で洗います。
■あじなど一尾魚は三枚おろしにして冷凍保存
内臓のニオイを残さないように、腹の中もよく洗い、ペーパータオルで水けを拭き取り、三枚におろします。
保存するときは、氷水にくぐらせて一枚一枚ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍を。また、下味をつけてから冷凍すれば酸化を防ぎ、ほかの食材へのニオイ移りも気になりません。
■鮭の切り身は塩で下味をつけて冷凍保存
鮭の切り身は塩をふってそのまま冷凍すると便利。自然解凍してから焼くと脂がにじみ出て、身がほぐれおいしく焼き上がります。
反対に、焼いてから冷凍すると、焼いたときに脂肪分と旨味成分が落ちてしまうので、解凍してもパサついた食感になってしまいます。焼いた鮭はほぐしたあと、調味をして冷凍するのがおすすめです。
(構成 生活・文化編集部 森 香織)