田村:いろんな地域でライブをしたいというのは、結成当初からずっと思ってきたことで。そういう意味では、平常運転のスピッツに戻ってきた感はある。自分の故郷は田舎だったから、そこに好きなアーティストがきてくれるとすごいうれしかった。そういう気持ちがわかるから、やる側になってもそれは忘れたくないなと。

草野:初期からのファンの方も、最近聴き始めてきてくれた方にも、直接音を届けられる喜びを感じながら演奏したいです。

三輪:ツアーをまわると次にやるべきことが見えてきて、そこから新しい曲を作って、またライブをやって。そういうサイクルはずっと変わってないよね。

■バンドの音で届けたい

草野:バンドの音楽ばっかり聴いて育ってきてるんで、自分たちの音楽はバンドの音で届けたいんですよね。今は打ち込みの再現性もすごいし、いい曲もたくさんあるんですけど、やっぱり“生のマジック”をずっと信じていたいと思う。そのへんはこだわってやってますけどね。

崎山:音を合わせているとビタッと合う瞬間というか、皆の調子が伝わってくるときはある。

草野:レコーディングのときも、1コーラス目はイマイチだなと思っていても、2コーラス目からすごいよくなってきて、最後にすごく盛り上がるテイクとかあって面白いよね。音で会話していると言いますか。

崎山:「あ、今何か違うこと考えてんな~」って、すぐわかるからね。それで「あーやっぱミスったよ」と思ってニヤリと笑ってたら、今度は自分がミスるみたいな(笑)。

草野:結局、全員ミスる(笑)。

田村:あと4人が想像している音が近いっていうのもない? ミックスで「ドラムの音をこうしたい」ってエンジニアさんに伝えるときも、メンバーは何となく見えてるんだけど、それを言葉で説明するのがなかなか大変だったりするときがある。

草野:メンバー間では共有できてるんだけど、サウンドを言語化するのってすごい難しいから。

田村:そうそう。ただ、音に対する共通言語みたいなものは全員持ってるんだよ。だから、ここまで長く続けてこられたという面もあるだろうし。今、昔の曲を聴いても飽きないのは、そこが一致しているおかげかなとも思う。

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