三輪:そこもすごいアナログな感じで。
草野:レコーディングでは、俺の単独の歌録りのときも、一応メンバーに同席してもらってるし。何か意見をもらうわけでもないんだけど。
三輪:いつも3人いるよね(笑)。気がついたことがあれば、ちょこちょこ言うみたいな。
草野:音楽に対する熱量が全員同じくらいなところもよかった気がする。「成り上がってやるぜ!」みたいなのもないし、逆に「趣味でいいっす」というわけでもない。全員「できればずっと音楽をやっていきたい」と自然体で思えてるところがいいよね。そう思うと、昔のロックスターって結構大変というか、ちょっと無理して気勢をあげてた人もいると思いますよ。幻想というか、偶像を壊しちゃいけないって。
田村:20代の頃は、「20~30年続いてるバンドなんてかっこわりいなぁ」って思ってたけどね。でも自分たちがそうなっちゃった(笑)。「長く続いてるバンドに音楽の初期衝動なんてあるわけないじゃん」って思ってたけど、今、実際に演奏できることに喜びを感じていて「そうは言ってもあるんじゃしょうがないよねぇ」って感じ。
草野:デヴィッド・ボウイだって衣装がいろんなところに引っかかって大変だったって聞いたよ? 頑張ってロックスターをやってたんだよ!
崎山:まあ、そこはうちは自然体な感じでね。
草野:年齢的にも無理するとね、すぐに活動休止になっちゃうんで(笑)。無理なく楽しくやっていきます。
(ライター・澤田憲)
※AERA 2023年5月29日号