大石:そう。子供のことを大切に思うことも大事だけど、死にゆく年寄りも大事にしてほしいなと思いました。長く頑張って生きてきたんだから。政府は冷たいなって思います。
林:でも大石さん、いまはすごく明るい笑顔で。
大石:外に出て仕事の打ち合わせをしたり、こういう対談に呼んでいただけたりするときは、暗い顔するほど子供でもないというか。でも、一人でいるときは泣いちゃったりしますよ。
林:来年の大河(「光る君へ」)の前に、Netflixで「離婚しようよ」という連ドラ(6月22日から全世界独占配信)の脚本もなさったんですね。しかもあのクドカン(宮藤官九郎)さんとタッグを組んで。想像がつかないけど、一回ごとに交代して書いたんですか。
大石:説明しにくいですけど、2、3シーンぐらいずつ交代で書いてました。
林:そんなことできるんですか。
大石:大変でした。磯山(晶)さんというTBSのプロデューサーが……。
林:はい、私も知ってます。「週刊朝日」の女子大生シリーズの表紙になったきれいな人ですよね。
大石:そうそう。あの方が「二人で書いたらおもしろいんじゃないか」って思い立って。
林:2シーンごとに交代して書くって、どうやってやるんですか。
大石:主人公の政治家(松坂桃李)は宮藤さんがおおむね書いて、その妻(仲里依紗)のところは私が書いて、妻の愛人も私が書いて、政治家たちは宮藤さんが書くという、まずは自分の得意なところを分けて書いてたんです。
林:そんなことできるんだ。かけあいのセリフのときはどうなるの?
大石:たとえば、政治家と奥さんが会話をするところは、1回目は宮藤さんが書いて、私が直しを入れたりして、ケンカのシーンは、私が書いて宮藤さんが直しを入れたりして、LINEでああだこうだとやりとりをして、それを磯山さんが見て、「じゃあ、こう直しましょう」という方向性を示して、3人で会ってるときに一緒に直すみたいな感じ。だからすっごい大変でした。一人で書くより3倍ぐらい。
林:でも、楽しかった?