老後資金に自助努力が求められる時代。若い世代を中心にコツコツ型の「積み立て投資」が広まっているが、そんな資産形成に役立ちそうな新しい法則が金融界に登場している。「126の法則」で、お金が2倍になる金利や期間が簡単に計算できるという。どんな法則で、どう使いこなせばいいのか──。
【図表】お金が2倍になる?新NISAにも便利な「126の法則」の活用法はこちら
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皆さんは次の問題に答えられますか。
「大学を卒業した23歳の新社会人が65歳まで働き、働いている42年間ずっと積み立て投資をして、平均的に利率3%で運用できたとする。この場合、満期額は積み立て元本額の何倍になるか」
いきなり読者に「難問」を投げかけた格好だが、実はこれ、難問でも何でもない。ある法則を知っていれば、わずか「1秒」で答えられる。それこそ今回取り上げる「126の法則」である。
金利の計算は、ただでさえややこしい。問題の答えは後述するとして順を追って見ていこう。
金利には、元本にだけ利息がつく「単利」と、ついた利息を元本に加えて、増えた元本に対して利息をつけていく「複利」の二つの方式がある。お気づきのように、「利息が利息を呼ぶ」形となる複利のほうがお金の増え方が早くなり(これが、いわゆる「複利効果」)、通常、運用の世界では複利が標準だ。
この複利効果を説明するのに有名なのが「72の法則」である。と言っても、ご存じでない方も多いだろう。改めて説明すると、複利運用する場合、投じたお金が2倍になるのに常に次の数式が成り立つのだ。
【お金が2倍になる金利(利率)と年数の関係】
利率×年数=72
例えば年3%で運用できれば、「3×年数=72」だからお金が2倍になるのに24年(72÷3)かかることがわかるし、反対に10年でお金を2倍にしたい場合は、「金利×10=72」から年7.2%(72÷10)で運用しなければならないこともわかる。