■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★
見事な指揮と聡明さ。カッコいい、と魅了されながらやがて反発が生まれる女性指揮者のドラマは、いかにも知的にさめたこの監督の映画。描かれる世界がいつの間にかブランシェットの名演に重なって鬱陶しく思えてきた。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
憑かれたようなケイトの演技には圧倒されるが、それ以前に共演陣や脚本・演出など、作品の完成度が高い。クラシック界の権力構造が現代社会の縮図に見え、映画にとって重要な音や音楽の効果が最大限に引き出されている。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
ブランシェットは落ちぶれていく人を演じるのがピカイチ! 何度も拝見してます。最近は多様性に気を使いながらの映画作り。意味があるなら良いけど、その重要さが読み取れず。逆にたくさんの要素を詰め込んだ感じが。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
映画として“跳躍”が抜群。それは主人公の心の動きであり、場所の移動であり、斬新な編集によるシーンの繋ぎである。ブランシェットは凄みだけでなく、映画に対する奉仕とリスペクトを感じさせ稀有であり爽快で豪快。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2023年5月19日号