韓国では総額9000万ドル(約130億円)という高額で、吉田がレッドソックスに移籍したことから、イ・ジョンフも大型契約が期待できるという報道もある。しかし、関係者からは現状そこまでの価値はないという意見も少なくない。

「今オフに渡米を選択しなかった場合は、NPBで実績を残してからのMLB挑戦も考えられる。大谷翔平(エンゼルス)や吉田の大活躍でNPBのレベルの高さが再認識されている。日本経由での米国行きを考えても不思議ではない」(アジア地区担当メジャー球団スカウト)

「『吉田の契約について、当初は高い買い物をした』という声も聞かれた。しかし評判を覆し、NPBの実力者はMLBで十分に通用することを証明している。イ・ジョンフもNPBで“箔”をつければ、米国挑戦時の契約条件を高めることもできる」(スポーツマネージメント関連会社関係者)

 そして、獲得へ向け、国内で熱心なのは中日と言われる。イ・ジョンフの父ジョンボム氏は1998年から2001年シーズン途中まで同球団でプレー、星野仙一監督のもとで1999年のリーグ優勝に貢献したことでも知られる。地元ではいまだに知名度と人気が高く、名古屋生まれでもある息子の入団にも期待が高まっている。

「中心選手の大島洋平もベテランの域に入っており後継者が必要。同じ左打ちの外野手ということでこれ以上の人材はいない。若手育成に積極的なチーム事情の中、24歳という年齢も魅力的。見た目も含め華のある選手なので、人気回復の切り札にもなる。中日にとってはうってつけの選手」(中日担当記者)

 また、中日と同リーグの巨人も獲得を検討しているという。韓国人選手ではアジアの大砲と呼ばれたイ・スンヨプなどが過去に在籍したこともあり、影響力の大きさを理解している。今季もスカウトが視察のために渡韓したという情報もある。先輩のイ・スンヨプも元々はメジャー志向が高く、NPBでプレーする意思は当初なかったというが、日本経由メジャー行きという青写真を描いて来日。結果的にMLB移籍は実現しなかったが、イ・ジョンフもNPBで評価を上げるというプランを考えてもおかしくない。

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巨人にとっても絶対欲しい選手?