今年の凱旋門賞は混戦模様?※画像はイメージ(写真/GettyImages)
今年の凱旋門賞は混戦模様?※画像はイメージ(写真/GettyImages)
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 欧州競馬もロイヤルアスコット開催が終わったところで、今年も恒例の凱旋門賞への展望をひと足早く始めてみようと思う。

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 まずは英愛の両ダービーなどを終えた時点での3歳馬の評価から。今年の英ダービーはディープインパクトのラストクロップの1頭として2歳時から注目を集めていたオーギュストロダンが歴史的な勝利を挙げた。

 同馬の母は仏G1オペラ賞などG1を3勝した名牝ロードデンドロン(父ガリレオ)と血統的にも申し分はない。英2000ギニーでの12着は距離不足のマイル戦、得意ではない重馬場、ポケットに入ってしまったレース展開などから度外視できるだろう。英ダービーで2着に下したキングオブスティールがロイヤルアスコット開催でのG2キングエドワード7世ステークスを勝ったのも好材料だ。ロイヤルアスコット終了時点では、各ブックメーカーが6倍から8倍で1番人気に推している。

 とはいえ、オーナーであるクールモアのマイケル・テイバー氏は、愛ダービー後は10ハロン前後の中距離路線に向かう見込みだと発言。12ハロン路線の凱旋門賞や米G1ブリーダーズカップターフも視野にあるとはしたものの、秋はアイリッシュチャンピオンステークスから英チャンピオンステークスの中距離王道ローテーションを進み、凱旋門賞には出ない可能性も十分にある。

 一方、仏ダービーを豪快に追い込んで制したエースインパクトはフランケル系クラックスマンの初年度産駒。無傷の4連勝で仏ダービー制覇と底を見せておらず、6月発表のロンジンワールドレースホースランキングではオーギュストロダンを上回るレーティング123の5位タイの評価を受けた。なお、オーギュストロダンは122で8位タイだが、こちらはミドルディスタンス、エースインパクトはインターミディエイトでの評価と距離区分が違うことには留意したい。

 エースインパクトは12ハロン路線を未経験だが、管理するJC.ルジェ調教師は凱旋門賞について「体格もあってストライドが大きいので向いていると思う」とコメント。ちなみに同厩舎で2019年に仏ダービーを制したソットサスは同年の凱旋門賞に挑戦して3着に入り、翌20年の凱旋門賞を制覇した。また、昨年も仏ダービー馬ヴァデニが凱旋門賞で2着と好走している。

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