中日・立浪和義監督
中日・立浪和義監督
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 ここ10年でAクラス1度(2020年に3位)だけと長い低迷期に入っている中日。今季は就任2年目を迎えた“ミスタードラゴンズ”立浪和義監督のもとで巻き返しを図っているが、6月25日終了時点で最下位ヤクルトと1ゲーム差の5位と苦しい戦いが続いている。

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 シーズン開幕前はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した侍ジャパンに唯一勝ったチームとして飛躍も期待されたが、長年の課題でもある得点力に今季も改善が見られず。“暗黒時代”とも言える時期がこれからも続いていくような気すらする。

「グラウンド内外での問題をクリアして立浪監督が就任、チーム再建に期待がかかった。しかし、ぬるま湯に浸かって負け癖がついたチームの改革はミスタードラゴンズでも簡単ではない。時間がかかることは想定内であり、長い目で見守る必要がある」(中日OB)

 だが、2年連続の最下位を避け、1つでも順位を上げるべくチームは積極的に動いている。5月末にはWBCでパナマ代表としてプレーしたメヒア投手の獲得を発表。また、立て続けに日本ハムとのトレードを成立させ、宇佐見真吾捕手とリリーフ左腕の斎藤綱記投手を新たにチームに迎え入れた。

 しかし、トレードに関しては放出した郡司裕也捕手、救援右腕の山本拓実投手はまだ若く、今後の成長も期待されていただけに、今回の補強には“疑問”の声もあがっている。阪神の岡田彰布監督も中日の動きについて「何やあれ。よう分からんよ」とコメントするなど、ファンを含め意図が分からないという意見も多いようだが……。

「チーム編成を考えれば悪くない補強。現役ドラフトで獲得した細川成也が覚醒し、長距離砲として期待する石川昂弥も少しずつ一軍レベルに慣れつつある。打線に関しては左打者が弱いので、打撃の良い宇佐見を獲得したのは納得できる」(在京球団編成担当)

 一方、野手の助っ人が苦戦する中、投手のメヒア獲得は緊急的な補強としてはどうなのだろうか。中日は先発、リリーフ投手の防御率がいずれもリーグトップ。「今、補強するのは打者では?」とトレード同様に批判もあるのが実情だ。

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投手メヒアの補強は“的確”なのか?