■鬼たちの弱点

 コミックス1巻によると、(1)日輪刀で頸を斬る(2)太陽光をあてることで鬼は絶命するという。鬼殺隊の剣士たちが使用している「日輪刀」は、太陽の超自然的な力を含む原材料から作られていた。よって、日輪刀による斬撃は、すなわち「太陽のエネルギーを使った攻撃」を意味している。急所である頸を切断できても、日輪刀でなければ、強い鬼たちはそれにすら対応することができる。鬼の最大の弱点は、やはり「太陽」なのだ。

<わかるのである 日光に当たれば死ぬのだと>(15巻・第127話「勝利の鳴動」)

 無惨は何よりも陽光を恐れたため、鬼の中から太陽を克服できる“体質”の者を探し、それを喰うことで、日光に強い肉体を自分のものにしようと考えるようになった。

■竈門禰豆子が太陽を克服できた理由

 鬼を人間に戻す方法を研究していた、医師であり鬼である珠世は、血液成分の変化から、禰豆子の太陽克服を予見したが、そこに「自我」との関わりを指摘していた。

 ひとつは「感情」。禰豆子の鬼化がひどくなった時、禰豆子が怒りで我を忘れていたことからも、感情をコントロールできること、つまり激情を自分で抑えられることが、鬼化の進行を止めることと関係があると推察される。鬼化の深刻化とネガティブな衝動との相関性は、現実世界において病の一部が、感情やストレスによって悪化する現象とよく似ている。

 さらにもうひとつ、禰豆子が他の鬼と違う点があった。それは太陽を克服するためには、一度「太陽に焼かれる=鬼としての死の通過」というプロセスを踏む必要があったのではないかということだ。

■太陽を恐れない鬼=人間

 刀鍛冶の里の戦いで、鬼に襲われた人々を救出するために、みずからが陽に焼かれることを覚悟した禰豆子。これが禰豆子の転機となった。鬼に死をもたらす太陽を心から受け入れること、これこそが鬼が人間に戻るために必要な要素なのではないか。

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鬼舞辻無惨の「真の願い」とは