プロ5年目を迎え、状況は刻々と変化している。高校時代、大阪桐蔭で同学年だった巨人・横川凱は先発ローテーションの一角として奮闘。ロッテ・藤原恭大も現在は怪我で離脱しているが、今季は開幕から外野のレギュラーを掴んだ。根尾は所属球団への貢献度、話題の両方で遅れをとりつつある。

「根尾は周囲を気にしないと語っているが、同級生の活躍は刺激であり悔しいはず。優しい感じに見えるが、かなりの負けず嫌い。全国屈指の強豪校、全国制覇した中心選手ならば当然です。今の悔しさを無駄にしないでグラウンド上で生かして欲しい」(中日関係者)

 宮本氏は立浪和義監督から「外野を今やらせてるけど、もし、うまくいかなかったらピッチャーが良いんじゃないかなと思ってる」とも聞いていたという。様々な起用法が検討されていたが今後は投手、それも先発でやって行く方針が固まった。根尾も目指すべき方向が見えたことで自身の成長のみに集中できる環境が整った。

「リリーフで一軍登板の経験はある。短いイニングなら馬力や1つ飛び抜けた球種があれば抑えることも可能。しかし先発はそうはいかない。球種、ペース配分、調整方法など必要なことは多い。1つずつ覚えてローテーションの柱になれるような投手になって欲しい」(中日OB)

 昨年はリリーフ投手として一軍で25試合に登板し、防御率3.41、1ホールドという成績を残した。だが、プロ入り後は先発登板はわずか1試合のみで、アマチュア時代を含めても決して多いとは言えない。

「本来ならオープン戦からどんどん先発登板させる予定だった。しかし投球フォームのバランスを崩し、修正まで時間を要した。リリースが安定せずストライクも入らない状態。投手としての時間が短いので、投球フォームがまだ身についていないのもあるだろう」(中日担当記者)

 フォームを安定させるのには時間を要する。投球練習、シャドーピッチングなどで数え切れないほど繰り返して体に叩き込む。投手としての期間が短ければ、崩れてしまうのが早くなってしまうため、今後はじっくりと育てることも必要になってきそうだ。

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「素晴らしい好青年で才能もある」