高田:チケットが売れなかったら……というのはあったけど、私は結婚前から葉加瀬太郎を世界に出すことをずっと考えていて。だから当たり前のようにロンドンで彼のことをプレゼンできた。秋元さんは、私のそういうところを見ていたのかな。

大宮:万由子さん、結果出しますね。

高田:結果は出すためにあるんだから(笑)。高校時代は過去問の分析とリサーチをひたすらしてましたけど、今もコンサートでは必ず客席に座って、お客さまがここで泣いたとか笑ったとかの反応を分析したり、客席から発信されるものを常にリサーチしています。そして家に帰って夫にフィードバックします。そうすると良い結果が生まれるから。

大宮:さすがですね。

高田:東大受験は、今いる場所から目的地までどう距離を縮めれば結果が出るのか、ゴールまでの道のりを「思考するスキル」を身につけさせてくれたと確信しています。仕事は思い通りにならないことも多いけど、乗り越える努力は惜しみません。受験の時のように(笑)。

大宮:いやー、万由子さん一貫してますね。

大宮エリー(おおみや・えりー)/1975年、大阪府出身。99年、東京大学薬学部卒業。脚本家、演出家などを経て画家として活躍。瀬戸内国際芸術祭(岡山県・犬島)で「光と内省のフラワーベンチ」を展示。2023年7月11~24日にスパイラルガーデン(東京)で個展を控えている

高田万由子(たかた・まゆこ)/1971年、東京都出身。東京大学在学中に「週刊朝日」女子大生表紙シリーズのモデルに。「たけし・逸見の平成教育委員会」レギュラー出演。94年、東京大学文学部卒業。99年、バイオリニストの葉加瀬太郎さんと結婚。2007年にロンドンに移住

AERA 2023年7月3日号