比嘉は今春より広島から大阪に拠点を移し、デュエットのパートナーである安永も籍を置く井村ASクラブの所属となった。井村ASクラブへの移籍は、クラブの代表を務める井村雅代氏に直接相談した上で決めたという。シンクロナイズドスイミングと呼ばれていた時代から日本を牽引してきた名伯楽に正面から気持ちを伝えられる度胸と意志の強さも、比嘉の能力の一つかもしれない。
安永と比嘉が泳ぐデュエットFRのテーマは『黒豹』。野性味あふれる動きには迫力があり、デュエットとしての一体感が高まればさらにステップアップできそうだ。比嘉の移籍により安永との練習時間が増え、同調性を高めて世界選手権に臨めるのではないだろうか。
比嘉は、第19回アジア競技会(9~10月、中国・杭州)への出場も決まっている。2024年パリ五輪に向け、まずは国内開催の世界選手権で存在感を示したい。7月の福岡で、比嘉はどんな泳ぎをみせてくれるだろうか。(文・沢田聡子)
●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」