作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。13人目のゲストは宇宙飛行士の山崎直子さんです。
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大宮:5年前に宇宙にいる金井(宣茂)さんと詩をつくろう、というイベントをやったことがあります。たまたま私が星の本を書いてたので声がかかって。JAXAの方って何回もシミュレーションされる。
山崎:そうそうそう(笑)。
大宮:子どもの役の人がいて、うまく言えないとき、どうサポートするかとか。3回もリハーサルして。なのに、当日、宇宙とつながらなかったんですよ。
山崎:ありがち、ありがち(笑)。
大宮:ありがちなんですね?!(笑)。「金井さーん」ってコールしたけど、シーン。「ちょっと声がちっちゃかったかな?」とか言ってごまかして。
山崎:うまい(笑)。
大宮:そのときの子どもの悲しい悲鳴が(笑)。3回コールしてだめだったときに、最後の手段で、油井(亀美也)さんと大西(卓哉)さんが宇宙飛行士の格好で出てきてくださり子どもたち大喜び。
山崎:そっかそっか、よかったです。
大宮:結局、スマホでつなぎました。
山崎:奥の手ですね(笑)。地上からは電話できないんですけど、ISS(国際宇宙ステーション)からは好きな番号に電話できるんです。
大宮:なんと! どうぞどうぞ、コーヒー飲んでくださいませ。開口一番いろいろしゃべってすいません。
山崎:いただきます。
大宮:山崎さんは子どもの頃から、宇宙飛行士になりたかったんですか。
山崎:子どものときはまだ日本人の宇宙飛行士、誰もいなかったんですよ。だから、それこそ「(宇宙戦艦)ヤマト」とか、「(銀河鉄道)999」の世界で、大人になったら、みんな宇宙に行くものだと思ってました。
大宮:大人になったらみんなって(笑)。面白い! でも当時、アメリカとかロシアには宇宙飛行士はいませんでした?