あとから英樹に聞いたんですが、あのときのオーガスタの状態、たとえばグリーンの速さや硬さなんかについて、「今年はいいな」と感じたっていうんです。
ゴルファーって、こうして感じることが大事なんですよ。「いけそうだな」とか「今日はこういう雰囲気だな」とか。その自問自答で道が二つに分かれたときに、いい方向に選択していくと、いい結果が生み出せる。
彼のもともと持ってる能力プラス直感能力、自問自答能力、いろんなものがさえてるんでしょうね。それがオーガスタでボンと出た。素晴らしいですよ。
英樹はもう10年もPGAツアーで戦ってますし、多くの期待をされるのは当然だと思います。これだけのことをなしとげてきたんだから、今後は選手寿命を縮めるような過度な取り組みは見直して、長期でPGAツアーやワールドランキングの上位に君臨するような選手になっていってほしいです。
丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。
※週刊朝日 2023年5月26日号