子を持つ者として、
賛成したいポイントと異論を挟みたいポイント


 投稿「子供産まなくてよかったです、マジで」によって伝えられている考え方は、そこまで目新しいものではない。子どもを産まない自由が尊重されてもいい――といった主張で、これを肉付けするために各論が繰り広げられる。
 
 この記事が今注目された理由は、主に三つ考えられるのではないか。一つは、元から関心が持たれているトピックであること。もう一つは、6月1日の子ども未来戦略会議で提案された扶養控除廃止案や、「子育て罰」といった単語が報じられたことで世間の関心が一時的に一層高まっていたということだ。

 これに加えて、当該投稿は長文で熱量があり、教養の匂いがし、読む人に感じさせる何かを備えていた。そして、人々の賛成や反対を誘う意見が主張されていた。これらの要因が相まってバズるに至ったわけである。
 
 投稿の中で、「女性は子どもを産まないと後悔する」という、連綿と続く社会の同調圧力は「呪い」と定義され、「女性は子どもを産まなくてもその呪いにかかる必要はない」「産みたくないという気持ちも同等に尊重されていい」といった意見が示されていて、これには思わず「その通り!」と合いの手を入れたいくらい、気持ちの良い主張であった。
 
 一方で、投稿者と反対の立場・すなわち子持ち勢がどうしても反感とともに反応してしまうポイントが二つあった。

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子持ちとしての反発の2ポイント