今や、子どもの知育もしつけもスマートフォン(スマホ)でする時代――?
NTTドコモの子会社で、モバイル関連のコンサルティング事業などに取り組む「ドコモ・ドットコム」(本社・東京都港区)が、デジタルコンテンツ配信サービス「Google Play」の2014年4月の人気アプリランキングを発表した。「教育」部門の売り上げランキングには、リズムゲームや絵本の読み聞かせといった知育アプリや、鬼から電話がかかってくるしつけアプリなど、幼児向けの教育アプリがずらりと並び、保護者の関心の高さをうかがわせた。
「Google Play」は、スマホやタブレットなどのAndroid端末利用者が、個人や企業が開発したアプリを無料または有料で入手できるサービス。同社は毎月「Google Play」で公開されているランキングデータを基に、人気アプリランキングを月単位で独自に集計している。
「教育」部門では、子どもが人気テレビ番組の歌に合わせてリズム遊びを楽しめる「リズム遊び 赤ちゃん幼児子供向けの知育アプリ」が1位となり、2位には画面を触るなどゲーム感覚で絵本を読める「読み聞かせ知育絵本スマほん」、3位には通勤・通学といったすき間の時間を利用して英語の勉強ができる「iKnow!」が続いた。赤ちゃんや幼児の知育・しつけに関するアプリが10位中八つを占め、「子育てにおけるスマートフォン活用ニーズの高さを表している」(同社)という。
中でも特徴的なのは、5位の「鬼から電話DX」だ。怖い鬼やドラキュラなどから電話がかかってくるという設定のアプリで、「子どもがだだをこねるのをやめた」「夜すぐに寝てくれた」などといったしつけ効果を評価するレビューが多い。昔から、保護者が絵本などを利用して「悪いことをしたら鬼が来るよ」「地獄に落ちるよ」と言い聞かせるなど、鬼は子どものしつけに大きな効果を発揮していたが、実際に鬼が来ることも、電話がかかってくることもなかった。自分の幼いころを思い出しても、想像するだけで恐怖心を覚えていた鬼から実際に電話がかかってくるのだから、効果はてきめんなのではないだろうか。
子育て中の人にとって、知育やしつけに利用できるアプリは心強い存在。だが、ただ子どもにスマホをいじらせておとなしくさせるだけでは、知育・しつけ効果が得られたとはいえない。例えば前述の「鬼から電話DX」であれば、子どもに鬼の存在を信じさせるために迫真の演技でおびえたり、「お母さんがいるから大丈夫。鬼さんに怒られないようにねんねしようね」と声をかけたりするなど、アプリに全てを任せるのではなく、あくまでも「お助けツール」として活用することが大切なのかもしれない。