

私が音楽を担当したドキュメンタリー映画のタイトルです。「狭山事件」の詳細や「冤罪と国家という暴力装置」みたいな真っ向からの話はその道の並み居る論客の方々に譲るとして、今日は一人でも多くの方にこの映画をご覧頂けるよう、私らしく超脱線話でいきます(文体ジャジーな2分以内で読めるおいらのコラムさ ふふふ(^^) )
で、その昔NYCのワシントンスクエアパークを妹(中学卒業後USAへ。現在、アメリカ人の旦那さまとの間に娘二人。もち完璧バイリンガル。いつもヘロヘロな兄の私とキビキビな妹)と散歩していると、向こうから黒人の若者二人組。すれちがいざまにこちらを向き、なにやらニヤリとからかい表情でベラベラ。
「ん?今なんてったの?」と妹にきくと、ムスッと
「春巻きが二本、ごきげんよう、だってさ」との答え。はあ。さすがによう聞こえとるなあ、と感心しきり。だが「いや待てよ? これが差別かあ、なるほどね」とふと思う私。でもなにか怒る気にもなれず、あの速射砲のような米語(英語とちゃいまんねん)が意味としてとらえられる妹の耳に、ミュージシャンである私は改めて敬意を表しましたとさ。ぽんっ(鼓、一打ち!)。野球もそうだよねえ。160キロなんてボールをバットに当てるなんて、いったいどんな運動神経なん……(当コラムの野球話、いつか大展開お楽しみに!)
で、数日後、この兄妹とそれぞれの連れ合い4人で車でボストンに向かうことになるのですが、兄(私)がメインドライバーなのですが、ふだん運転しない義弟が運転したいとのことで、ちょこっと運転をまかせたのですが、これが「あい~ん(T_T)」なことに。前方に幅寄せしてくるトラックの術中にはまってしまい、ものの見事に高速道路上で一回転半(縦じゃなく横ね 縦はありえん(^_^;) デ・パルマ360度回転移動撮影かいな! 車窓の風景くる~りくるくる(◎-◎;) 反対車線のガードレールに軟着陸(激突でなくてよかった。というかサクサクと書いているのですが、もうホントにこの時は死ぬかと思いましたぜ、だんな! しばし全員絶句・無言の後、おもむろにやってきましたハイウェイパトロールカー。しかし我が車の後方10メートルくらいに静かに停車。車内からなにやらこちらの様子をじーっとうかがっている模様。やがて悠然と降りてきましたおまわりさん。
「おおっ! テンガロンハットにこの制服 映画みたい~」と興奮するアホ兄に
「なに言ってんの、映画じゃないのよこれは! 絶対ふざけちゃだめ。手は見える位置に出しといて。それでなにか言われても動かしちゃだめよ(>_おまわりさん(腰の拳銃に右手をすでにかけている。基本ポジション)「ハーイ べらべ~ら なんたらかんた~ら」
義弟「どのこ~の いいわけ~の」
起こった事態を必死に説明する義弟。妹の一言で、いきなり映画から現実世界に戻るアホ兄でしたとさ。ちゃんちゃん(ふざけてないで反省せんか! はい。さすがにこの一件から慎重に)
で、なんでこの妹をほめちぎる2エピソードが『SAYAMA』の応援なん? とおそらく99%の方が疑問に思われるでしょうが、ここが私の真骨頂(どこがじゃい!?)先に申しあげましたように、大勢の方が「差別と冤罪と取り調べの可視化」等についてすでにストレートに書いていらっしゃるので、私はまったく別次元からのアプローチで「ボタンの掛け違いが日常の風景をがらりと変えてしまうことが起こりえる(狭山事件はそれどころではないのですが)」ということを言ってみたかったのですが、だいぶ無理があったかなん(^_^;
で、とにかく『SAYAMA』という映画。一番に見て欲しい理由は、私と妹の関係のように、石川さんと奥様の早智子さんの素敵な関係。こんなにも理不尽なシチュエーションに置かれているにもかかわらず、愛のあるパートナーがいることの大切さ、ありがたさ! です。ここにつきます。しかし、このことに一番耳がイタいのは実は私ではないのかfrom私のつれあい。へどもど……。
ポレポレ東中野で7/18(金)まで絶賛上映中です。ぜひご覧ください<m(__)m>[次回7/7(月)更新予定]
■映画『SAYAMAみえない手錠をはずすまで』公式サイト
http://sayama-movie.com/