千田:雨の日に行くと、晴れていたら気がつけない発見がありますね。
平山:城は今、雲海ブームですよね。
千田:竹田城(兵庫県)は霧が出るとき多くの人が訪れていますね。
平山:だけど雲に囲まれてしまったときに、竹田城はどういう守りをしていたんでしょうね。
千田:雲海が出たら山麓の敵の動きは何も見えない。竹田城は弱点まみれじゃないですか。竹田城を攻めるとしたら雲海の日がチャンスですね。でも、今はその弱点を強みに変えて人気の城になりましたね。
平山:僕は山梨県に住んでいますけど、都留郡には御前山と呼ばれるところがあって狼煙山と言われている。鐘撞堂山という山もあるんです。なぜ鐘撞堂山なのかなとか思ったら、城によっては鐘を鳴らし、太鼓で合図を送り返すという伝説が残っているんです。都留郡は川霧がすごい。狼煙じゃ見えないから鐘や太鼓で知らせるんですね。
(構成/本誌・鮎川哲也)
※週刊朝日 2023年3月17日号より抜粋