AERA 2023年3月13日号より
AERA 2023年3月13日号より

 厚生労働省が2022年に発表した「更年期症状・障害に関する意識調査」では、50代の女性の約38%、男性の約14%が「更年期障害の可能性がある」と考えていると回答。ただし、「医療機関を受診し、更年期障害と診断された」と答えた女性は40代で3.6%、50代で9.1%。男性は40代で1.5%、50代で1.7%と、大半が受診していないことが浮き彫りになった。

 2月に開催された啓発イベント「Think W-Wellness──ダイバーシティー経営成功の鍵は女性の健康!」に登壇した大須賀穣・東京大学大学院産婦人科学講座教授は、こう指摘した。

「昔は更年期の症状を我慢しながら働いていた人がどれだけいたか。けれども、女性たちが続々と管理職になるという段階にある私たちの社会状況を考えれば、症状があれば我慢せず治療すべき状況に来ているのではないか。仕事の場、あるいは家庭のどちらかで、少し影響が出ちゃったなと自身で反省する時間があったら、もうそれは、(医療機関を)受診すべき時ですね」

(ジャーナリスト・古川雅子)

AERA 2023年3月13日号より抜粋