エンゼルス・大谷翔平(写真/gettyimages)
エンゼルス・大谷翔平(写真/gettyimages)
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 大谷翔平が所属するエンゼルスは2014年を最後にプレーオフから遠ざかっている。今年は8年ぶりのポストシーズンへ向け、開幕当初は好調をキープしていたものの、5月後半から14連敗を喫するなど厳しい状況になってきた(現地7月3日終了時点で所属するア・リーグ西地区で首位アストロズから15.5ゲーム差の4位)。

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 大谷、マイク・トラウト外野手というメジャーリーグのトッププレイヤーを抱えているが、今シーズンだけではなく、将来的な見通しも決して明るくない。大谷が入団したことでエンゼルスを応援する日本人ファンも多いが、勝つためには今後どのような補強戦略を敢行すればよいのだろうか……。

 まず、近年ワールドシリーズを制覇しているチームを見ると、昨年のブレーブスを含めほとんどのチームが有望な若手選手を多く集め、彼らが主力になったタイミングで優勝を果たしている点だ。昨シーズン世界一となったブレーブスも野手ではフレディ・フリーマン、ダンズビー・スワンソン、オジー・アルビーズ、ロナルド・アクーニャ(怪我で7月以降は出場なし)、投手ではマックス・フリード、イアン・アンダーソンなどドラフト上位で指名した選手や、トレードで獲得した期待の若手、そして中南米の有望株たちを上手く育て上げて形成したチームだった。

 ブレーブス以外を例にとっても、2015年にワールドシリーズを制したロイヤルズ、2016年のカブス、2017年のアストロズなどが、全て同様の方法でチーム強化に成功している。

 メジャーではひとたび選手がFAになると移籍するケースが多く、一方で年俸高騰が著しいFA選手を数多く獲得してチーム強化を図ることは金銭的にどうしても限りが出てくる。そんな中で現在は将来的にチームの主力となれそうな若手を一人でも多く集め、彼らがFAとなる前に世界一を狙える“勝負の年”を作るというのが、王道のチーム強化の方法と言えるだろう。

 そこで重要になってくるのが若手の充実度だが、エンゼルスはここ数年この分野で他チームと比べてずっと見劣りしている。メジャーリーグ公式ページ『MLB.com』が発表する全30球団の若手充実度ランキングを見てもエンゼルスは2020年が26位、2021年が25位。今年の開幕前も24位と低空飛行が続いている。

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大谷を“トレード要員”にするのが最善の道?