(c) mame
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「人間は何にでもなれる」と言った「20世紀の知のスター」がいました。サルトルです。言わずと知れたフランスの哲学者ですが、この人物、男女問わずモテモテで、作家、劇作家、活動家としても活躍しました。哲学といえば、難解でとっつきにくいというイメージがあるかもしれませんが、『ざっくりわかる8コマ哲学』(著/小川仁志、マンガ/まめ)では、東西に広く知られる35人の哲学者の思想を、8コマまんがでざっくりゆる~く解説しました。ここでは、サルトルの思想をご紹介します。

【カントがわかる!8コマまんが】

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「あなたは何にでもなれます」なんていわれても、「そんなことねぇよ」ってぼやきたくなりますよね。でも、理屈上は本当に何にでもなれるんです。サルトルはこんなふうに言ってます。「人間は自らつくるところのものになる」ってね。

 物はいったんつくられたら、生涯その物のままです。運命は変えられないわけです。いくら頑張っても。でも、人間の場合は頑張れば運命は変わります。たとえば、ペーパーナイフは、紙を切るという用途や役割(本質)が先にあって、この世に存在(実存)する。つまり、本質が実存に先立つということです。しかし、人間は逆で、運命は変えられる(実存は本質に先立つ)。これをサルトルは、「実存は本質に先立つ」と表現したわけです。

 その後、「実存は本質に先立つ」は実存主義を象徴するスローガンになりました。そして、サルトルは言行一致で、自ら実存主義を実践しました。たとえば、世の中を変えるためにデモをしましたし、何より結婚も自分の好きなように変えちゃいましたからね。

 彼は“結婚の意味”そのものを変えちゃったんです。同じく哲学者の恋人・ボーヴォワールと“結婚”したんですが、それは“契約結婚”といって、二人ともいくらでも恋人をつくっていいというものでした。そうしてサルトルは、他の女性たちと浮名を流します。二人はいろいろありながらも、生涯の伴侶として連れ添いました。

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