監督就任に向けて期待が高まっている球団が、阪神だ。矢野燿大監督は2月1日の春季キャンプ前日に今季限りで退任することを明言。今季は春先に低迷したのが大きく響き、ヤクルトの首位独走を許す形となっている。最後にリーグ優勝を飾ったのが05年。今年もV逸となれば17年間遠ざかることになる。チーム再建に向けて落合氏は次期監督に適任と見られるが、阪神の番記者は「その可能性は限りなく低い」と否定的な見方を示す。
「後任は岡田彰布元監督、平田勝男2軍監督のどちらかが有力視されています。落合さんが指揮官として優秀なことは間違いないですが、阪神の球団体質を考えると考えづらい」
では、他球団はどうだろうか。スポーツ紙デスクはこう分析する。
「今のプロ野球界はフロント主導でチームを作る球団が多い。一昔前より個性的な監督が減ったのは、『フロントに従順な監督』の方が扱いやすいからです。その観点でいくと、落合さんは『扱いにくい監督』というレッテルを貼られているように感じます。実際は穏やかな性格で我も強くないので、誤解されている部分も多いんですけどね…。中日の監督時代の後半に『勝つけどファンサービスを軽視するから客が呼べない』と批判する声もありましたが、当時はリーマンショックなど不況による影響で各球団の観客動員数が軒並み減っていた。『落合野球では客を呼べない』という指摘は違うかなと感じます。むしろ、落合さんを監督にする球団があったら集客力は上がると思いますよ。ファンが一番に求めているのは勝つ野球ですから」
落合氏が再び監督に就任する時は来るだろうか。(梅宮昌宗)