「NPBは政府方針に従うのが大前提。陽性判定が出た場合、国の定めるルールに沿わないといけない。しかし海外に目を向けると選手、観客ともにマスクを身に付けていない人も多く、平常時に近い形に戻っている。世界陸上でも(国によって検査を受ける基準なども違い)辞退者は日本の選手が多数で、不公平感は感じる。しかし現状では日本国内で決められた規則内で最大限の努力をするしかない」(在京球団関係者)

 また、日本全体で感染者数が増え、プロ野球でも同様の事態が起こってはいるが、現場レベルで努力、改善できる余地もまだまだ残っているという声もある。新型コロナウイルスの蔓延が始まった当初はベンチ入りの選手をダグアウト内とカメラ席などに分け密状態を防いでいた。マスク着用だけでは感染を防ぐことは難しくなっている中、やれることはどんどん取り入れるべきだという意見も多い。

「各球場のダグアウトはどんなに広くても30畳くらい。その中に選手、コーチ、スタッフなど30名近くが常時いれば、これは密状態と言える。面倒だが選手を分散することが必要。その上で空気清浄機等の台数を増やすなどすれば効果は期待できる。市販のものでも機能性は高いので、選手1人に1台が行き渡るくらいやっても良い」(在京球団関係者)

「例えば、東京ドームはダグアウトの裏に素振り室、その後ろに選手食堂と続くため密閉空間に近い。神宮球場もダグアウトと着替えスペースを合わせてもかなり狭い。ロッカー、クラブハウス等を行き来する通路も窮屈なほど。球場が屋内外というだけで区切るのではなく、球場構造に合わせての対応が必要」(巨人担当記者)

「巨人の感染者数が激増した直前、神宮球場で試合があったことも無関係ではないかもしれない。また多数の感染者が出た広島二軍は、毎回、同市内から山口県の由宇町にある練習場までチームバスで移動する。ヤクルト、巨人、広島は感染リスクが高い状況にあったと思われます」(広島担当記者)

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今後は政府の判断も