それ以降の飛距離合戦は、アニカ・ソレンスタム、ソフィ・グスタフソンのスウェーデンコンビとブリタニー・リンシカム(米)が牽引する。2006年にはカーリン・シェーディン(スウェーデン)が284.5ヤードの平均飛距離をマークし、女子も280ヤードがアベレージという世界に突入した。

 女子ツアーの平均飛距離トップが290ヤードを超えたのは昨年のこと。2019年から参戦するオランダのロングヒッター、アネ・ファンダムが19試合の平均で290.8ヤードを記録した。さらに同ツアーにはビアンカ・パグナンガナン(フィリピン)という飛ばし屋もいる。2020年の飛距離ランクは1位で、2021年はファンダムに次ぐ2位。日によってはアベレージで300ヤード超えを達成しており、シーズンを通じた平均300ヤードオーバーも現実味を帯びているのだ。

 また飛ばし屋としては、地元アメリカのレキシー・トンプソン、ネリー・コルダ、ジェシカ・コルダもコンスタントに270ヤード以上の飛距離を稼ぎ出しており、今季はドライビング・ディスタンス15位までが平均270ヤード以上。今季の国内トップの穴井詩が260.2ヤードだから、日米女子ツアーのパワーの差は歴然としている。

 では海外選手に飛ばしで圧倒されている日本勢はどうだろうか。飛ばし屋の女子プロとしてゴルフファンがまず思い浮かぶのが、上記で述べたようにUSLPGAツアーでも活躍し、本場のトッププロを凌駕する飛ばしを見せた福嶋だろう。しかし、近年はその福嶋に負けないロングヒッターが生まれている。

 その筆頭に挙げられるのは笹生優花だ。昨年の全米女子オープンを制した笹生は、今季のドライビング・ディスタンスで6位の273.4ヤードを飛ばしている。そのスイングは、笹生が憧れというロリー・マキロイ(北アイルランド)に“激似”で、男子顔負けの安定性と切れ味鋭い振り抜きが特徴。現在の国内女子プロの中で笹生以上に飛ばせる選手はいないだろう。

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笹生優花に続く日本勢の飛ばし屋は?