いよいよベスト8が出そろった夏の甲子園。休養日を1日挟み、準々決勝の4試合は18日に行われるが、これまでの戦いぶりから優勝の行方と見どころを探ってみたいと思う。
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まず最大の注目はやはり3度目の甲子園春夏連覇を目指す大阪桐蔭(大阪)だ。旭川大高(北北海道)との1回戦では序盤で3点をリードされる展開となったものの、2本のホームランなどで逆転勝ち。改めて初戦の難しさは感じたが、ここぞという場面で長打、ホームランが飛び出すあたりはさすがというべきだろう。続く聖望学園(埼玉)との2回戦は25安打、19得点で大勝。3回戦の二松学舎大付(東東京)戦も中盤以降は相手の粘りに追加点を奪うことはできなかったが、4対0と危なげなく勝利している。
強打がクローズアップされることが多い大阪桐蔭だが、今年のチームの強みは安定した投手陣にある。センバツで優勝を果たした後、春の大阪府大会と近畿大会、そして夏の大阪大会とここまでの甲子園と公式戦20試合を戦っているが、失点はわずかに17で、0点に抑えて勝った試合は12を数える。単純に計算すると1試合で1点とるのも難しいということになるのだ。旭川大高との試合で3失点を喫したエースの川原嗣貴も二松学舎大付戦では完封勝利としっかり調子を上げてきている。安定感では川原以上のものがある前田悠伍(2年)と、この夏大きく成長した別所孝亮(3年)も控えており、この3人から大量点を奪うことは考えづらいだろう。
そんな大阪桐蔭に勝つ方法となれば、やはりロースコアの展開に持ち込むというのが現実的である。参考になるのは今年のチームが公式戦で唯一の黒星を喫した春の近畿大会決勝の智弁和歌山(和歌山)戦だ。この試合で智弁和歌山は1回に先頭打者ホームランと、タイムリーエラーで3点を先制。その後の反撃を小刻みな継投でしのぎ、3対2で逃げ切っている。そして大きなポイントとなったのが長打を防いだことだ。4回までには3本のツーベースを浴びたが、5回以降に許した4安打はすべて単打となっている。