大阪桐蔭はノーアウト一塁だと意外とオーソドックスに送りバントをしてくることが多く、そこでしっかりアウトをとるということも当然重要になってくる。長打を多く許さないだけの投手陣と、きっちりした守備で最少失点に食い止めるということが大阪桐蔭に勝つための絶対条件となりそうだ。

 ではこのような条件を満たすチームの候補としてはどこが挙げられるだろうか。投手陣の強さという意味ではやはり近江(滋賀)と仙台育英(宮城)の2校を推したい。センバツ準優勝の近江はエースの山田陽翔(3年)の存在がやはり大きい。ここまで3試合に先発し、24回を投げて34奪三振をマークしており、長打は5本しか打たれていない。センバツの決勝戦は準決勝で左足に受けた死球の影響で早々に降板となったが、万全な状態であればある程度大阪桐蔭打線を抑え込むことも期待できるだろう。

 ただ問題なのは大阪桐蔭と対戦するまでに山田の状態が維持できるかという点だ。ここまで既に376球を投じており、3回戦ではそれまでの2試合と比べてストレートの平均球速は落ちていた。理想は準々決勝で山田を温存して勝ち上がることだが、これまでの試合を見るとそれは考えづらい。打線が奮起して、山田の登板イニングを減らすことができるかが重要になりそうだ。

 力のある投手の数という意味では仙台育英が圧倒的だ。初戦の鳥取商(鳥取)との試合では5人の投手が登板し、全員が最速142キロ以上をマークして零封。続く明秀日立(茨城)との試合は終盤までリードを許す苦しい展開だったが、4人の継投で逆転勝ちをおさめている。山田ほど突出した投手はいないが、全員がストレートの速さだけでなくコントロール、変化球のレベルも高い。左右の異なるタイプを揃えているというのも強みだ。チームを指揮する須江航監督も打倒・大阪桐蔭のために投手を整備してきたと話しており、準決勝以降で対戦が実現すれば面白い展開になる可能性は高いだろう。

暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選
次のページ
準々決勝の下関国際もチャンスあり?