そろそろ去就が心配される状況となっていたが、今年は開幕直後からリリーフとして一軍に定着すると、ここまでチーム2位となる36試合に登板して2勝1セーブ10ホールド、防御率1.89という見事な成績を残しているのだ。38回を投げて18四球とコントロールはまだ万全とは言えないが、イニング数を上回る39奪三振をマーク。150キロ前後のストレートに加えて鋭く落ちるフォークが大きな武器となっている。残りのシーズンもセットアッパーとしてフル回転の活躍に期待がかかる。
パ・リーグの首位を走る西武は12球団トップのチーム防御率をマークしているように投手陣の奮闘が目立つが、中でも嬉しい誤算となっているのが先発では與座海人、リリーフでは水上由伸である。與座は2017年のドラフト5位で入団したものの、肘の故障で1年目のオフにはトミー・ジョン手術を受けていきなり育成契約となった経歴を持つ。3年目の2020年には支配下に復帰したものの、昨年までの一軍通算成績は3勝5敗1ホールドと決して目立つものではなかった。しかし今年は開幕ローテーション入りを果たし、1試合はリリーフに回った試合もあったが、5月以降は先発に定着。7月30日のソフトバンク戦ではプロ初完投、初完封を飾るなどここまでチームトップの9勝をマークする大活躍を見せている。
一方の水上は2020年の育成ドラフト5位で入団すると、1年目の5月には支配下登録され、ルーキーイヤーの昨年も29試合に登板。今年は開幕から勝ちパターンの一角に定着すると、7月には月間MVPを受賞するなどここまで49試合に登板して4勝26ホールド1セーブ、防御率0.94という圧巻の成績を残しているのだ。昨年もルーキーながら活躍を見せていただけに飛躍は期待されていたが、それでもここまでの大活躍を予想していたファンは少なかったはずだ。ちなみに新人王の権利も保有しており、このまま成績を伸ばせばその可能性も高いだろう。
最後に上位チームではないが、やはり松本剛(日本ハム)に触れないわけにはいかないだろう。プロ入り6年目の2017年には115試合に出場して110安打を放ちレギュラー獲得かと思われたが、その後は故障もあって低迷。昨年も47試合の出場で24安打に終わっている。しかしプロ11年目の今シーズンは開幕戦で2安打を放つと、憑き物がとれたかのようにヒットを量産。7月19日に自打球を受けて左膝を骨折して長期離脱となったが、それでも歴史的な投高打低と言われるシーズンで2位以下を大きく引き離す打率.352をマークし、首位打者争いを独走しているのだ。