「自分たちも長年にわたり、ロシアから大きなダメージを受けてきたという歴史的な背景がありますから、それを思い出させる状況だ、と多くのジョージア人が感じていると思います」
■フォロワーは約20万
ジョージアは1991年に独立するも、2008年に南オセチア戦争(ジョージアとロシア連邦の戦争)があり、領土の約2割がいまもロシアの占領下にある。「平和」に対する強い思いは、国民の誰もが抱いている。
「上の世代は、より生々しく捉えていると思いますが、若い世代だって戦争には反対ですし、平和を維持するのが重要だという認識はみなが持っている。ジョージア人はたとえ戦争を経験していない世代でも、目と鼻の先で起きていることとして非常に敏感ですし、抗う姿勢を見せなければ、と本能で感じていると思います」
歴史的に侵略や戦いが多かったことから、自分たちの価値観を守ろうとする姿勢が強いという。だが同時に、素顔はおおらかで芸術家肌の人が多いとレジャバさんは感じている。見識があり、理知的かつ感性豊かな若いアーティストも多いという。
レジャバさん自身、いまのジョージアをもっと知ってほしいという思いからツイッターで国の魅力を積極的に発信している。フォロワーは約20万に上る。今年1月には初の著書『大使が語るジョージア 観光・歴史・文化・グルメ』(共著)も上梓した。
「ジョージアは訪れる度に“変化”を感じられる国。コロナ禍も落ち着きつつありますし、ジョージアを訪れてみてほしい、実際に見ていただきたいという気持ちが強いんです。あとは皆さんがそれぞれ気に入ったもの、印象に残ったものを発信して頂くことで、ジョージアという国への理解がさらに広まっていけばいいな、と思っています」
(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2023年3月6日号