EXITのりんたろー。(写真左)と兼近大樹/afro
EXITのりんたろー。(写真左)と兼近大樹/afro

 8月23日、お笑いコンビ・EXITのりんたろー。がファンクラブのブログにてタレントの本郷杏奈との結婚を発表した。この結婚に関しては、ほんの数日前に一部メディアでフライング報道があり、本人がそれをいったん否定していたのだが、今回改めて正式に発表する形となった。テレビ東京の『ゴッドタン』での共演がきっかけで出会ったということで、彼らの結婚は「ゴッド婚」とも呼ばれた。

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 8月23日に公開されたEXITのYouTube動画では、『ゴッドタン』のプロデューサーである佐久間宣行に結婚報告をしていた。EXITの2人は佐久間のことを「東京のお父さん」と呼んで慕っていた。

 EXITは『ゴッドタン』と縁の深い芸人である。出演回数がそれほど多いわけではないのだが、彼らがコンビとして初めて本格的なテレビ出演を果たし、ブレークのきっかけとなったのがこの番組だったからだ。

 2018年7月放送の『ゴッドタン』で「今のバラエティで売れそうな若手芸人」ランキングの1位として紹介されたEXITは、チャラ男キャラを生かした漫才を演じていた。だが、レギュラー出演者であるおぎやはぎと劇団ひとりは彼らに質問を投げかけ、あっという間に彼らのチャラくない真面目な素顔をあぶり出してしまった。

「チャラ男」というキャラが認知されるよりも先に、「実は真面目」という素顔の部分の方にスポットが当たったのだ。これは異例の事態だった。

 リアリティのあるやり取りが求められるバラエティ番組の世界では、新しく出てきた芸人が、腕のある先輩芸人たちに元のキャラをはぎ取られて、その奥にある素顔を暴かれてしまう、という展開がしばしば見受けられる。

 ただ、EXITが新しかったのは、キャラが世間に浸透して、ある程度まで定着してからイジられるのではなく、この番組に初めて出た時点で即座にチャラいキャラの裏にある真面目な一面を暴かれてしまったことだ。

 でも、それは彼らにとって幸運だった。彼らは少しでも目立つために見た目や話し方などでわかりやすいチャラ男キャラを打ち出してはいたのだが、もともとそれだけでやっていこうと思っていたわけではないように見えた。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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