結局、来季の大谷翔平は、ロサンゼルス・エンゼルスに残留するのか、あるいはトレードで放出されるのか。エンゼルスの売却の可能性が報じられたことで、それがより分からなくなった。
8月23日(現地時間:以下同)、大谷が所属するエンゼルスは、「球団売却の可能性を含む戦略的選択肢を評価するための正式なプロセスを開始した」と発表した。球団オーナーのアート・モレノ氏は「この難しい決断は私たちが下したことであり、熟慮に値するものであったが、私と私の家族は今がその時という結論に達した」と声明を出し、ファイナンシャル・アドバイザーとして「ガラチオト・スポーツ・パートナーズ」と提携していることを明かした。
米経済誌『フォーブス』の試算によると、エンゼルスの資産価値は今年3月時点で22億ドル(約3026億円)。これはMLB全30球団中9番目の金額だ。しかし、売却価格はこれを上回る可能性が高く、『フォーブス』の見積もりによれば「25億ドル(約3439億円)から30億ドル(約4126億円)近くになる」とされ、地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』でも「30億ドルになる可能性も」と予想されている。いずれにしても、超高額の取引になることは間違いない。
その売却額は大谷の去就が左右するとも言われている。「大谷は結局エンゼルスに残るだろう」と見る野球専門メディア『コール・トゥ・ザ・ペン』は、大谷に付随する“ジャパンマネー”に目をつけ、「大谷の存在と日本からの収入(スポンサーと集客)は、球団価値を決める上で重要な要素になる」と指摘。『ジ・アスレチック』によれば、集客、グッズ、広告など大谷が生み出す収益は年間推定 800万ドルから 1000 万ドル(約11億円から13億円)。大谷は来季以降3000万ドル(約42億円)以上の年俸を手にすると噂されているが、それでもエンゼルスに残した方が有益だと、『コール・トゥ・ザ・ペン』は見ている。
一方で、大谷の存在は売却の上で不利になるという見方もある。前出の『ジ・アスレチック』は、先に述べた大谷が生み出す収益も「1年ならまだいいが」というが、大谷の高額年俸は球団を受け継ぐ側にとって大きな負担になると懸念を示す。