8月28日には、『MLB.com』の名物コラムニストのジョン・モロシ氏が、大谷のトレード先を言及しはじめた。モロシ氏は今夏のトレード期限直前に、大谷のトレードが実現しないことを真っ先に伝えた人物だ。28日に米ラジオ局『670 The Score』の番組に出演してシカゴ・カブス入りの可能性を指摘しつつ、「今オフ、大谷がトレードされても驚きはない」と語った。

 カブスといえば、今季から鈴木誠也が所属している球団だ。カブス専門メディア『カブス・インサイダー』は、「現時点で、カブスとエンゼルスが表立って話し合いをすることができないのは明らかだが、モロシ氏がこれを伝えているということは、水面下では交渉しているのかもしれない」と伝え、可能性がゼロではないことを指摘している。もし大谷がカブスに移籍すれば、鈴木との「同い年のコンビ」が生まれ、ナ・リーグのダルビッシュ有(パドレス)との対決も実現するかもしれない。敏腕記者の大胆予想は、大手メディア『NBCスポーツ』にも取り上げられ、カブスの地元シカゴは早くも盛り上がりをみている。

 エンゼルスは売却検討の発表時に「以降はコメントを控える」とし、その後、大きな動きは一切みせていない。一方、大谷は報道から4日後の8月27日、ようやく口を開き、「どうなっていくのかっていうのも正直見えていない」とメディアに複雑な心境を語った。現地では、「売却は最短で年内。長ければ1、2年かかる」と予想されているが、それよりも先に大谷の去就が決まる可能性の方が高いだろう。はたしてこの騒動はどんな結末を迎えるのか、今後の動きに注目だ。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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