岸田文雄首相も頭を抱えているだろう。各社の世論調査で内閣支持率は落ち込み、進める政策や方針についても「評価しない」「反対」の割合が大きい。特に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題への対応には、国民の多くが納得していない。自民党の茂木敏充幹事長が党内の国会議員に配った旧統一教会との関係を確認するアンケートにも、大事な質問項目がない。
旧統一教会との関係を確認するために自民党の国会議員に配られたアンケートはこちら
「自民党総裁として率直におわび申し上げます」
岸田首相は、コロナに感染後の療養から明けた8月31日、記者会見を開き、旧統一教会と自民党議員が密接な関係を持っているのではないか、と疑念の声が出ていることについて陳謝した。
茂木幹事長に対し、「当該団体との関係を断つことを党の基本方針とし、所属国会議員に徹底する」「コンプライアンスやチェック体制を強化し、厳正な対応を取る」ことなどを指示したことも明らかにした。
岸田首相が旧統一教会との関係について、ここまで言及した背景には、内閣支持率の低下があるようだ。
7月の参院選に圧勝し、その後の政権運営も順調に見えた岸田首相。それが、安倍晋三元首相の銃撃事件で、山上徹也容疑者の「旧統一教会」に関する供述が表に出ると、自民党を中心とした政治家と旧統一教会との関係性が次々と明らかになり、世論調査の数字も一転、下がり始めた。
朝日新聞の8月下旬の世論調査では、支持が47%と前回7月の調査から10ポイント下がった。逆に、不支持は39%と、前回の25%から14ポイント上がった。
自民党との深い関係が連日ニュースになっている旧統一教会への岸田首相の対応については
「評価する」21%
「評価しない」65%
と支持率急落の大きな要因が旧統一教会問題であることがわかる。
自民党のある閣僚経験者は、
「岸田さんはさかんに首をひねっていた。『どうしてなのか』とつぶやき考え込むことが多かったようだ」
と話す。
それが茂木幹事長への指示に表れている。