そこで、最初に手を付けたのが自民党の全国会議員へのアンケートだ。
茂木幹事長の名前で用紙が配布された。
<旧統一教会及び関連団体との関係について>
というアンケート用紙は、議員自身の名前を書く欄があり、
(1)会合への祝電・メッセージの送付(2)広報紙誌へのインタビューや対談記事などの掲載(3)旧統一教会関連団体の会合への出席(4)旧統一教会主催の会合への出席(5)旧統一教会及び関連団体に対する会費支出(6)旧統一教会及び関連団体からの寄付やパーティー収入(7)選挙におけるボランティア(8)旧統一教会及び関連団体への選挙支援の依頼、及び組織的支援、動員等の受け入れ
と質問が8項目ある。それぞれ「有り」「なし」の選択肢と、有りの場合は具体的な記述も求めている。
ただ、その8項目に当てはまらないケースがあったとしても記入する欄はなく、仮に旧統一教会の信者が、秘書や事務所のスタッフなどを務めていたとしても、書かなくていいようになっている。
「本来なら、第三者委員会のようにチームを作って、調べるべきなんだろう。だが、岸田首相が急ぐあまり、アンケートでガス抜きを図ろうとした。自民党には、旧統一教会の信者が秘書に派遣されたケースが数多くある。最近でも、少ないと思うがゼロではない。アンケートで本当のことを書くだろうか」(前出・閣僚経験者)
お茶を濁す、その場限りの対応にもみえる。
アンケート用紙を手にしたある衆院議員は、
「もっと突っ込んで調査するのかと思っていた。こんな程度なのかって感じ。立憲民主党は党の調査を議員の実名で公表したが、自民党はそこまでするのだろうか? 『楽勝だ』と言っている同僚の議員もいる。一番根深い問題は、旧統一教会が秘書を派遣していることと選挙支援。秘書については、なぜアンケートの項目に入っていないのだろうか」
と指摘した。
締め切りは9月2日。自民党は、アンケートの結果を公表する予定だという。