<「大学生活では味わえないことをやってみたくないか」「大学を超えたサークルである」「いろんな大学が加盟しているサークルだ」「自分の性格を見つめて新しい自分を発見しないか」「自己開発、能力開発をしよう」などといって近づき、団体の事務所やセミナー会場等へ誘い、自分の性格や生き方などについて話し合った末に、名簿に氏名や連絡先の記入をせまります。その後は何回も数人で一方的な解釈と押し付けを繰り返され、合宿やセミナーの費用を請求されたり、宗教的な活動をするよう迫られます。新聞やテレビでも報道されている団体が、名称を変えて勧誘していることが多く、接触は優しく親切に見えても、本来の姿は恐ろしいものがあります>(駒澤大ウェブサイト)

 ここで「名称を変えて勧誘している」とあるが、統一教会は2015年、世界平和統一家庭連合に名称を変更している。細かなところまでしっかり注意を促している。「本来の姿は恐ろしい」と結論づけたのは、被害にあった学生を脱会させられなかった現実に、忸怩たる思いを抱いたことが想像できる。

 立教大は「キリスト教系」のミッションスクールである(聖公会。アメリカ系)。

<スポーツや音楽などのサークルを装って大学生に近づいて親しい信頼関係を築きあげ、相手が心を許した段階で、「教会に行ってみませんか」などと巧みに誘い、反社会的な活動を行っている宗教団体に勧誘するケースが報告されています>(立教大ウェブサイト)

 反社会的集団とみなしているのは、「教会に行ってみませんか」と、キリスト教系を称する勧誘方法に怒りを覚えたからだろう。

 これらの大学では、旧統一教会とおぼしき宗教団体を指していても明記はしていない。注意を促す文面に固有名詞は出てこなかった。「カルト団体」「カルト宗教団体」が多い。

 ある大学の学生生活課担当職員がこう話してくれた。

「“統一教会”という名前を出すと、いやがらせを受けるのでは、と恐れているからです」

 こうしたなか、旧統一教会などを名指しで批判し、学生に注意を促している大学があった。

次のページ 気づかれないうちに学生が取り込まれていってしまう