2020年代、キャンパスで旧統一教会、原理研究会による活動は見られるのだろうか。明治学院大心理学部2年の中村眞大さんに話を聞いた。

「私が気づいていないだけかもしれませんが、明学のキャンパスで旧統一教会の活動はほとんど見ません。だから、学生はピンとこないかもしれません。わたしのまわりでは、旧統一教会より、詐欺まがいのFX投資話が広がっています。お金がない学生がだまされる。大きな社会問題になるのではないでしょうか」

 FX投資詐欺については、各大学が警戒している。最近、成蹊大はこう警鐘を鳴らした。

<FX投資詐欺は、インターカレッジサークルでの懇親会に参加した学生に対して、会食に誘い出して長時間拘束し、確実に儲かるノウハウが収められたとするUSBメモリを50万円以上の高額で購入させて、それを友達に紹介すれば手数料が払われるので絶対に損はしないなどと持ち掛け、解約も出来るからと逃げられないように追い詰めて契約を迫るものです>(成蹊大ウェブサイト 2022年7月20日)

 学生を反社会的団体から守る。そのために、大学は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と実名をあげて注意を喚起していいのではないか。旧統一教会はこれまで「学業を続けられない精神状態」(法政大)にさせ、「学生生活を台無しに」(青山学院大)してきた。

 筆者も1980年代、多忙な布教活動と経済的な困窮を理由に、大学を退学し「通常の市民生活を破壊」(青山学院大)された、旧統一協会の学生を見ている。大学の同級生そして取材記者として接した学生であり、霊感商法に加担していた。

 大学は学生の安全と安心を守る、自由と権利を保障するために、旧統一教会とたたかってほしい。大学教員のなかには、これまで講演、投稿、インタビューなどで旧統一教会に協力した者もいる。どうか関わらないでほしい。

教育ジャーナリスト・小林哲夫

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