実際は、この「ゆる持ち」の状態をキープしつつ、たて方向に線を引くときの「パーグー運動」、横方向に線を引くときの「シュッシュ運動」、丸い線を描くときの「クルクル運動」を組み合わせて字を書いていく。
4本の指をいっしょにした状態で、てのひらを開いたり閉じたりするのが「パーグー運動」。正しくえんぴつを「ゆる持ち」してこの運動を繰り返すと、たての線がまっすぐになり、最後をしっかりとめることができるようになる。
横方向の線をしっかりラクに書けるようにするには、「シュッシュ運動」が有効だ。手首の内側、丸く飛び出している骨の内側をこするようなイメージで、机に付けたまま横に動かす。
そして最後は、えんぴつを正しく持ったまま、右回りに円を描くようにえんぴつを動かしながら交互にパーグーする「クルクル運動」。
3つの運動をマスターしたら、下の見本を見ながら「お」を書いていく。竹内さんによれば「お」は、ひらがなが持つ特徴のほとんどを備えた、練習台として優秀な1文字。力の入れ具合も意識しながら、繰り返し書いてみよう。
うまくゆる持ちできないときは、親指をのぞく4本の指がバラバラにならないようにするための「ゆる持ちバンド」が役に立つ。
「正しい持ち方が身につくと、字形がよくなるだけでなく、大きさもコントロールできるようになり、結果、×が〇になることはもちろん、書くことがラクになり疲れません」と竹内さん。
竹内さん監修の『子どもの字がどんどん速くきれいになる方法』では、この記事で解説したえんぴつの持ち方をさらに詳しく説明し、図示しているほか、実際に書き込んで「テストでバツにならない字」も練習できるようになっている。
(構成 生活・文化編集部 端 香里/ラスト あさだみほ)