で、「不倫は絶対ダメ」という人達は、「そうなったとしたら、すぐにやめるべきなんだ」と断定します。

 そういう人は理性で自分を完全にコントロールしている人だと思います。ダイエットは簡単にやりとげられるし、仕事をちゃんとハンドリングできているし、仕事と遊びの区別もちゃんとできている人でしょう。ダラダラとテレビを見続けたり、甘いものをつい食べてしまう、なんていうだらしない生き方は絶対にしてない人だと思います。

 そういう人は絶対に不倫しないので、不倫している人の気持ちが理解できないんですね。

 つんさんが書く「ご家族のことを考えると申し訳ない気持ち、嫉妬する気持ち、とても複雑な気持ちで苦しくなります」という感情は、不倫をしている多くの人の共通の気持ちだと思います。

「不倫は絶対ダメ」と主張している人は、「美味しいところだけを取って、相手の家庭をボロボロにして、何の反省もしてない」と不倫している人のことを思っているかもしれませんが、そんな分かりやすい気持ちの人は本当に少数だと思います。

 僕は「不倫している人は苦しんでいるから許せ」と言っているんじゃないですよ。「不倫は文化だから認めろ」と言っているんでもないです。

 胸を張って主張できないことは分かっている。でも、好きになってしまったんだ。この感情は真実なんだ。愛おしいんだ。という、「人間のどうしようもなさ」は存在するんだ、と言いたいのです。

 でも、この主張も「ふざけたこと言うな」と言われる可能性があります。やがて、こういう主張は、ネットに現れる文章ではもう書けなくなる可能性が高いです。正義の人に攻撃されて、炎上するなんて、みんな嫌ですからね。

 だから、表向きは発表できなくなるでしょう。でも、「人間のどうしようもなさ」はなくならないのです。だから、こういう感情は地下に潜って、公には発表できなくなるでしょう。言えないけれど存在する。「人間のどうしようもなさ」がタブーになった世界は、クリーンで道徳的で秩序立って、本当に息苦しい空間になるだろうと思います。

 つんさん。だから僕は今の生活を、精一杯生きることをお勧めします。これから先、何が起こるかなんて、誰にも分からないんです。

 48歳で初めて経験する「人を愛する喜び」「仕事が楽しいという感覚」を思いっきり味わって下さい。それが僕のアドバイスです。

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