【鴻上さんの答え】
つまらない人間さん。と、書いて頭を抱え込んでしまいました。なんというペンネームにしたんですか。本当に「自分に自信がない」んですね。困りました。
「つまらない人間」を略して「つま」さんにしようかと思いましたが、なにせ相談が不倫なので、妙に意味深になってしまうようで、これまた困りました。
というわけで、「つん」さんにしますね。つんさんは、48歳で初めておつきあいをするようになったんですね。相手のことが大好きなんですね。素敵じゃないですか。
えっ? 不倫だから? うーん。それも、仕事のパートナーなんですね。これは、問題が二つある相談ですね。
大きな組織に嫌気がさして、相手が起業した会社に入ったということは、結構小さな規模の会社ですね。ビジネスパートナーとして、結構、密接な関係ですね。
さて、つんさん。もし、この恋が終わる時が来ても、大人として仕事を続けられますか? 僕の世界で言えば、劇団の中で恋愛関係になった場合に近いです。
劇団という濃密な関係の中で、やがて恋が終わっても、同じ劇団員として関係を続けられるかどうかです。続けられる人と続けられない人が、当然、いますね。ちなみに、僕は続けました。はい。ものすごく苦しかったですけれど、「恋の終わりの痛み」より「仕事の大切さ」を選びました。
つんさんはどうですか? でもまあ、これは、終わってみないと分からないことですね。今から、身構えてもあまり意味はないでしょう。
「鴻上さんは別れるのであれば全ての縁を切るべきであるといつもおっしゃっていますが」というのは、別れる方が明らかにいいと思った時のアドバイスです。
これは、つんさんの場合とは違うと僕は思っています。
で、もうひとつの問題、「不倫」の方ですね。
つんさんは、48歳で初めてつきあうことになったんでしょう。それも、「彼のことがとてつもなく好き」になってしまったんでしょう。「一緒にいると楽しくて、幸せ」なんでしょう。でも「別れるべきなのも分かって」いると思っているんでしょう。