杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつ病によりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』など多数。最新刊は『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』。静岡市で少人数制塾「杉山塾」(http://fancynancy.jp/sugiyamajuku/)を運営中。ツイッターのアカウントは@suginat

 そんなときこそリアプレイザルの出番です。怒りの感情が湧いてきたとしても、一度深呼吸をして別の部屋にうつります。そして10秒くらい時間をかけて、ゆっくり、「イライラする」と声に出して言ってみてください。

 たったそれだけで、自分の中のイライラした気持ちを、少し客観的にみることができます。そして、「自分は今、イライラしているのだ」と自覚するだけで、感情を落ち着かせることができます。

 そうしてから、今あった出来事を振り返ってみると、「子どもは本当に時間を勘違いしているのかもしれない」という可能性にも気づきますし、「今日は3時半から勉強を始めても、別にいいかもしれない」と、気持ちに余裕が出てきます。

■リアプレイザルは、不安や悩みにも使える

 ここまでこられたら、再び子どもと向き合ってみてください。そうすると、「じゃあ今日は3時半から始めよう」と約束できたり、「今度はお互い時間の間違えがないように、ホワイトボードに時間を書いておこう」と、すれ違いを起こさないための提案も生まれてきたりするものです。なんでも怒りに任せてぶつかっていては、今後の解決策を考えるまでには至らないでしょう。

 リアプレイザルは、怒っているときだけではなく、不安になったときや悩んでいるときにも使えます。今からプレゼンをするためかなり緊張している、なんていうときにも、「緊張している」とゆっくり声に出して言ってみてください。それだけで、自分の中の感情の高ぶりを見つめなおすことができるのです。そして、少し冷静になれば、「このプレゼンで自分は成長できる」というように、プラス方面の考えを持つことが可能になります。

 「気持ちが高ぶっていたら、リアプレイザル」と、魔法の言葉のように覚えておいてください。感情に任せて物事にぶつかることが少なくなれば、自分の中のストレスも減らすことができるでしょう。 

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