うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。今回は「子育てのネガティブ感情の静め方」についてです。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。
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育児では、親の思うようにいかず、イライラすることは多いでしょう。そんなときに、ぜひ試してもらいたい方法があります。それは「リアプレイザル」という感情コントロール法で、ネガティブな感情が湧き起こったとき、一度立ち止まって見つめ直すというものです。カッとなって感情的に怒ってしまう前に、自分の気持ちを冷静に振り返って捉え直すことで、怒りを自分の中から切り離すのです。
「そんなことが簡単にできたら苦労はない」と思うかもしれませんが、これにはやり方があります。
自分も相手も感情的に怒っているときにそのまま会話を続けても、衝突してしまい、ただけんかになるだけでしょう。しかしそこでどちらかが冷静になれば、相手も落ち着いてくるものです。むやみにけんかをしないですむどころか、衝突する原因となった事柄に関して、今後の防止策が浮かぶかもしれません。
■子どものやる気をなえさせない
たとえば、3時になったら学校の宿題をすることを子どもと約束したとします。しかし3時になっても子どもはゲームをしていて、一向に勉強を始める様子はありません。そこで、「宿題をしないのか」と問いかけてみると、子どもからは「勉強をする約束は3時半からのはずだよ」という答えが返ってきました。
このとき、「3時って言ったじゃない」「なんでさっさと勉強しないの」と怒ってしまっては、そのままけんかになるだけでしょう。お互い嫌な気分になり、子どもは勉強する気持ちがなえてしまいます。