自動降格圏の17位はG大阪(勝点29、得失点差-15)だ。神戸の関西ダービーに敗れ、再び自動降格圏に順位を落とした状態で、残り4試合となった。その対戦相手は、柏(H)、横浜FM(A)、磐田(H)、鹿島(A)で、今季対戦は、柏(○1-0)、横浜FM(●1-2)、磐田(△1-1)、鹿島(●1-3)。磐田こそ最下位のチームだが、残り3チームは上位トップ6に入るチームであり、横浜FMは優勝へ向けて全開モード。最終節の鹿島とはルヴァン杯(●1-4、●1-3)、天皇杯(●0-2)も含めると今季4戦全敗。昨季も2戦2敗(●0-1、●1-3)で2017年以降の公式戦通算1勝4分9敗の相手だ。残留のためには残り4試合の中で最低2勝は必要だが、磐田との直接対決での勝利以外に上位3チームを倒すことができるかどうか。残留圏との勝点差は少ないが、残りカードを考えると「不利」が多く、得失点差で劣っていることを考えても非常に厳しい状況に追い込まれている。

 最下位18位の磐田(勝点24、得失点差-24)は、さらに崖っぷちだ。6試合白星なしという状況で、残りは5試合。相手は清水(A)、鹿島(H)、横浜FM(A)、G大阪(A)、京都(H)。今季対戦を振り返ると、清水(●1-2)、鹿島(●1-3)、横浜FM(●0-2)、G大阪(△1-1)、京都(○4-1)。鹿島にはシュート数7対20、横浜FMにはボール支配率39%対61%と内容的にも圧倒されており、唯一勝利している京都戦は前半終了間際に相手GKが一発退場となって数的優位の状態で勝った試合だった。残留予想ラインの勝点35到達のためには、残り5試合を3勝2分、もしくは4勝1敗が条件。次節の静岡ダービーで勝点3を手にしなければ、G大阪、京都との「6ポイントマッチ」に臨む前に“終戦”となる可能性が高くなる。

 泣いても笑っても、残り1カ月余り。チーム毎に「有利」と「不利」はあるが、12位の清水から17位のG大阪までは、わずか勝点差「2」であり、1試合の結果で一気に順位が入れ替わる。史上稀に見る大混戦となっている2022年のJ1残留争いの結末は、まだ誰も知らない。(文・三和直樹)

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