世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とのかかわりについて指摘を受けてきた細田博之衆院議長が、9月29日に公表した旧統一教会との関係を認める文書。たった「紙1枚」に書かれた内容からは、関係について真摯(しんし)に説明しているとは受け取れない。党内からも批判の声が出るなか、10月3日に「補充説明をする」と発表する事態に追い込まれた。
【資料】細田氏が旧統一教会との関連について公表した「紙1枚」はこちら
公表された文書を整理すると、細田氏が教団側とかかわった件は以下のようになる。
【イベント、会合などへの出席】
▽2018年10月、旧統一教会の政治団体「国際勝共連合」の記念大会に出席
▽19年6月、旧統一教会の関係団体の出版物で、憲法改正問題に関するインタビュー記事の取材を受けた
▽同年10月は旧統一教会の関連団体の国際会議であいさつ
▽それ以外にも18年、19年の2度、会合に出席
【役職など】
▽自民党と旧統一教会関連団体との議連「日本・世界平和議員連合懇談会」の名誉会長に21年6月に就任
▽旧統一教会の創始者、故・文鮮明氏が提唱した、九州と韓国を海底トンネルで結ぶ計画を進める「日韓海底トンネル推進議員連盟」の顧問
【選挙】
▽地元の関連団体から選挙で支持の意向を示された
こうした事実関係を踏まえた上で、選挙については、
「関係者は、私が知る限りでは普通の市民であり、法令に反する行為を行っているとの認識はない」。
名誉会長に就いている懇談会については、
「その後の活動状況については承知しておらず、実際にも議長就任後は参加していないほか、既に解散したと聞いている」。
トンネル議連については、
「これまで特に活動に参加したことはないほか、現在は顧問を辞任している」
と何かしらの弁明を書き加えている。
少なくともこの文面からは、旧統一教会や関連団体とかかわりを持ったことについて、問題があったとの認識は見られない。
文末に、
「今後、社会的に問題があると指摘される団体等とは関係を持たないよう、適切に対応してまいりたい」
との一文を入れているが、それまでの事実関係を踏まえての思いとは考えにくく、これまでに関係が明らかになった議員らが発言してきた“定型文”を繰り返したに過ぎない。