コンビニ「ローソン」で販売される商品を
ゼロから生み出し食卓に届ける北村憲祐さん

北村憲祐さん。どうやったら商品がもっと売れるかを考えて、半年から1年先の販売メニューを企画している

 北村憲祐さんは1991年生まれ。大学の理工学部を卒業後、2014年に株式会社ローソンに入社。大阪の店舗で2年働き、店長を務めた後、営業部での営業経験を経て中部地区の商品部に所属された。そこで3年経験を積み、21年に東京本社へ。商品本部デイリー・厨房部マーチャンダイザーとして、「お弁当」の開発を担当している(取材当時)。

 ――就職先をローソンに決めた理由はどんなことですか。

 ぼくはもともと理系で、大学も理工学部に進学して機械工学について学んでいました。就職活動のときに、今まで学んできた分野に近い自動車メーカーも視野に入れていたのですが、自分には向いてないと思う気持ちもあって。これがやりたい!と思えることが明確になかったので、就職してからやりたいことを選んでいけるように、仕事の幅があるコンビニエンスストアへの就職を決めました。

 ――商品開発で一番楽しいことはなんですか。

 やはり、自分の考えたアイデアを形にすることができるところです。アイデアを生み出すのは、楽しい反面とても大変ですが、お店に並んだ商品がお客さまのもとに届き、おいしい!と食べてもらえるとやっぱりうれしいですし、すごくやりがいを感じます。会社員ながら、「なにかをゼロから作り出す仕事」ができているのは、すごくやりがいがあるなと思っています。

 ――どのような商品の開発に関わっているのでしょうか。

 今は、1年間に約10品のお弁当の開発を担当しています。その中でも、もっとも人気が出た商品は、お客さまアンケートを参考に半年以上かけて開発した「これが弁当シリーズ」の「のり弁」です。

 日持ちするように、電子レンジで温める冷蔵用お弁当にして、具材サイズも大きくし、タルタルソースやしょうゆは、レンジで一緒に温まらないように、ふたにつける形に変えました。いろいろ工夫をした結果、価格は少し高くなったのですが売り上げは2倍になりました。お客さまが求めているものに応えられたようで、とてもうれしかったです。冷蔵商品に切り替えて日持ちがよくなったことで「食品ロス」も減り、SDGsの観点からも、いい商品開発ができたと思っています。

北原さん開発「これがのり弁当」。お客さまの声や世の中の流行に合わせてアイデアを出す。使う材料や仕入れ先も決める

 ――今後やってみたい挑戦はありますか。

 多くの人に食べてもらえるような商品を作りたいと思っています。一緒に商品開発をしている先輩が、爆発的な人気を得た「悪魔のおにぎり」を開発した人で、その商品が名刺代わりになっているので、ぼくも、そんな自分を代表するような商品が作れたらと思っています。

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「なりたい職業」や「将来の夢」を探す第一歩は、世の中にどんな仕事があるのかを知ることだ。それでも見つからなければ、自分で仕事を作ればいい。3人のインタビューは子どもたちに、そう教えてくれる。

(構成 生活・文化編集部 上原千穂)

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