「以前と同じような光景にも見える。立浪監督は中村コーチに大きな期待を寄せていた。しかしフタを開けると指導方法が気に食わず、二軍へ配置転換。球団内で各選手に対する指導方針が徹底されていなかったことを露呈しまった。同じ失敗を繰り返さなければ良いが……」(関東キー局スポーツ担当者)

 立浪監督は就任して以降、広い本拠地バンテリンドーム対策で「スモールベースボール」を球団方針に掲げた。単打と走塁を重視した野球を敢行するための育成ビジョンだ。しかし中村コーチは現役時代から長打と確実性の両方を求め、日米通算2106安打、404本塁打と結果も残した。コーチになってからもその姿勢を追求したかったようだ。

 コーチ就任1年目のキャンプから「強く振る」ことを指導。主砲として将来を嘱望される石川昂弥に関しては立浪監督と中村コーチで育成方針が合わなかったという話もある。そういったことが積み重さなり、5月末には波留敏夫二軍打撃コーチ(当時)との配置転換となった。

「配置転換は育成プログラムを作成した編成統括・仁村徹氏が主導とされている。しかし実際は立浪監督の意向も強かったらしい。PL学園時代から上下関係に厳しいキャプテンとして有名。指示を聞かないコーチは不要と判断されてもおかしくない」(関東キー局スポーツ担当者)

「中村コーチは一軍向きだと思われていたから意外だった。波留コーチはメンタル面を前面に出す熱血タイプ。プロ入りしたての若手育成には最適だが、実戦で結果を出すための打撃コーチとしては適正ではないと思う。実際、一軍コーチ就任後のチーム打撃成績は右肩下がり。ベンチ前の円陣で選手を“恫喝”したのではと話題になるなど悪いところでも目立った」(中日担当記者)

 来季は和田氏が一軍の打撃コーチを担当するが、かつての強打者2人が“共存”することで打線が強化できるという声もある。

「中村コーチの評価は高い。現役時代の豪快なイメージとは違い、細かい部分までこだわりを持っている。選手個々に合わせた理論的な打撃論は、浜松開誠館高のコーチ時代から定評があり、日米数球団を渡り歩いた経験もある。チームにとっては必要不可欠な存在」(中日関係者)

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強竜打線は復活するのか