昨シーズンから名門ネブラスカ大でプレーしている富永は、ディビジョン1で2年目を迎える。東京五輪では3x3の日本代表としてプレーしたが、今年は5人制バスケットボールの日本代表としてプレーしている。

 7月にオーストラリアのメルボルンで開催された「FIBAワールドカップ2023アジア地区1次予選ウィンドウ3」のオーストラリア戦では、チーム最多の18得点(3Pシュート成功5本を含む)を挙げると、「FIBAアジアカップ2022」の同じくオーストラリア戦(準々決勝)では、15本中8本の長距離砲を沈めるなど33得点と大活躍。アジアカップ5試合で平均15.2得点、2.6リバウンドとインパクトを残してNCAAでのプレーに弾みをつけた。

 ネブラスカ大初年度の富永は、30試合中11試合でスターターを務め、5.7得点、1.5リバウンドのアベレージ。得意の長距離砲は成功率33%と厳しいシーズンとなったことは否めない。レンジャー・カレッジ2年目に27試合で平均16.3得点、3Pシュート成功率48.7%(94本成功)をマークしたことを考えると、NCAAディビジョン1の壁にブチ当たったと言えるだろう。

 では、夢のNBA入りを目指す富永の現在地はどこにあるのだろうか。短大のレンジャー・カレッジで2年間を過ごしネブラスカ大学に進んだ富永だが、新型コロナウイルス感染症の影響で、NCAAが2020-21シーズンをカウントしないことにしたため最大3年間のプレーが可能となった。つまり、富永には、アーリーエントリーしなければNBAドラフトまで2シーズンあるということ。

 そんな中、ネブラスカ大の地元紙「リンカーン・ジャーナル・スター」は、日本代表では好プレーを見せた富永が、与えられた役割をネブラスカ大でどの程度こなせるかが課題としている。日本代表で、5連続でシュートを外しても、さらに5回ボールは回ってくるが、必ずしもネブラスカ大ではそうはならないとやや厳しい評価を下しているのだ。

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